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あいち熊木クリニック院長熊木徹夫の精神科無双夢想 ~<あいち熊木クリニック>開設、その後~
院長である精神科医の熊木徹夫と、建築家の筧清澄が、 臨床と建築に対するそれぞれのこだわりを、余すところなく出し尽くす場としてのブログです。


プロフィール

熊木&筧

  • Author:熊木&筧
  • 熊木 徹夫

    2007.07「あいち熊木クリニック」開設


    筧 清澄
    1968 06 10
    1998 筧建築設計開設

    筧建築設計
    名古屋市中村区下米野町3-29
    k-kakehi@za2.so-net.ne.jp
    TEL/FAX 052-451-9976



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『リスパダール液を大量服薬したらどうなる?』
こんにちは、あいち熊木クリニックの熊木です。

「あいち熊木クリニック」のご紹介



▼△▼----------------------------------------------------------------

『リスパダール液を大量服薬したらどうなる?』

~ 精神科医熊木徹夫の「公開悩み相談」~

--------------- http://www.dr-kumaki.com ---------------------△▼△


こんにちは、熊木です。

今回は、2つの質問に答えることにします。

まずは、apricoさん(36歳・女性)のご質問から。


<Q1:リスパダールについて質問があります。

最近、液体のリスパダールを処方されて
それについている「劇薬」の”劇”という文字におののいています。

別サイトで調べたところ、
”胃袋いっぱいにのんでも、死にはしません”とありました。

それを見てほっとしたものの、それは錠剤の場合ではないかと思っています。

液体だと吸収も早く胃洗浄にもまにあわないでしょう。

実際のところ、致死量はどのくらいなのでしょうか。

安心のため、きいてみたいと思います。


なお、私は精神科にかかってこれで7年過ぎましたが、
OD(大量服薬)経験はありません。

今回、劇薬について調べたおかげで、
錠剤ならすでに(合計)のべ5種類も劇薬にあたるものをのんでいる、
またはのんでいたことがわかりました。

表示がなかったので、これまで知りませんでした。

でも、どれも気が遠くなるほど貯めないと死ねない
(しかも死ぬかどうかは50%)ということがわかり、
この量では無理だな、と思えて安心できました。

”液体でも、何Lも必要だといいな”と思っていますが、いかがでしょうか>


A1:私もリスパダールの致死量を調べてみたのですが、
確たる情報はありません。

ただ、比較的安全な薬という認識があります。

(とはいえ、”ODしても後遺症など残らない”などという保証はいたしません)

幸いapricoさんはこれまでOD経験がないということで、結構なことですが、
今後もそれを維持していただきたいと思います。

”薬を貯める”というのは我々精神科医にとり看過できないことですので、
道義的に”そんなことしてはダメだ”というわけですが、
現実的には、服み控えてジワジワ貯め込んでいる人は
決して少なくないだろうと推察されます。

”薬を貯める”人には、次のようなタイプがあると思います。

(1)薬に精神的に依存しており、薬がきれてしまうのが恐ろしい。

(2)”いつでも死ねる”量の薬物を準備しておければ安心。

apricoさんの場合、”仮にODに及んでしまった場合、
死ぬかもしれないことには強い恐怖があるが、
それでも薬を貯めずにはおれない”ということですから、
(1)と(2)の折衷型で、死というものに対して
アンビバレンツがあるといえそうです。

apricoさんや、(2)のタイプの人々に
精神科医が「死ぬことはいけないことだ」と説教を垂れても、
実効性は乏しいだろうと考えられますが、
それでもこのような患者さんの態度を目の当たりにしたとき、
精神科医はそういわざるをえません。

apricoさんのこのようなご質問に対しては、
道義的な関わりが無化されてしまうという意味において、
精神科医である私は、いささか困惑するのですが、
まあ臨床の現場にあってはそう珍しいことではありません。




さて、次のご質問は、たまにゃん さんからのものです。


<Q2:初めてお便りします。

これまでずっと医療機関から「境界性人格障害」と説明されてきたのに、
診断書に「心因反応」とかいてあり、
これはどういうことなんだろうと疑問に思っています。

私は医療関係者なので、精神病になれば免許剥奪の危機もあります。

また現在信頼できるのは知り合いのカウンセラーのみという状態なのですが、
経済的理由から何回もいくことはできません。

その間は常に「リスカ」「どうやって死のうか」
「何を整理し、書き残していかなければならないか」などと考えています。

朝調子悪く夕方調子いい、人付き合いしたくない、
という「うつ状態」のような状態にあります。

借金してでもカウンセリングを受けるべきでしょうか?>


A2:「心因反応」「抑うつ状態」「自律神経失調症」などは、
”方便・かくれみのとしての病名”で使われることが多く、
病気の本態を表していないということは、よくあることです。

「心因反応」は精神病ではありませんので、
免許剥奪に怯えられることはないでしょう。

”ずっと医療機関から「境界性人格障害」と説明されてきた”とありますが、
説明してきたのは、精神科医ですか。

”現在信頼できるのは知り合いのカウンセラーのみ”ということですので、
いまのところ、まあそこにかかるしかないですが、
この方は、臨床心理士でしょうか、それとも無資格のカウンセラーでしょうか。

健康保険が使えないカウンセリングであれば、
5000~15000円/1時間というのが相場ですので、
確かに余程裕福な方でないかぎり、
そうそう通いつめるというわけにはいきません。

現実問題として経済的な問題が無視できないのであれば、
やはり健康保険が使える医療機関で、
相性のあう精神科医なり臨床心理士なりを探すほかはないでしょう。

借金してカウンセリングにかかるというのは、
まずいだろうと思います。

確実な投資だと考えられるものについて、
借金をするのはアリかもしれませんが、
(将来的には経済活動に結びつくかもしれないものの)
当座金銭が発生しないカウンセリングにお金をつぎ込むことは投資とはいえず、
返すメドもたたない状況では、この借金はあまりに危険です。

まあ私の回答は以上です。何かの参考になるといいのですが。


(おわり)



熊木徹夫(あいち熊木クリニック<精神科医・漢方医>)
あいち熊木クリニックのサイト:http://www.dr-kumaki.org/
臨床感覚の広場のサイト:http://www.dr-kumaki.com/
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